■ 研究テーマ：ヒョウと人の共存を目指して―ケニアにおける保全政策アクション・プランの構築
■ 研究概要
東アフリカのケニア共和国で、野生のアフリカヒョウ（Panthera pardus）の保全生態学研究をしています。2009年より、主に首都ナイロビに生息するヒョウの生態とそこに住む人々の関わりについて調査を進めてきました。2016年度からは、再導入個体のモニタリングを実施し、どの様にしてヒョウが新しい環境に適応していくのかをGPS首輪を用いて調査しています。ヒョウと人々の軋轢の問題が深刻化する中で、その軋轢緩和策として、問題のあるヒョウを捕獲し、人為的に移動（Translocation）するという策が取られていますが、実際に軋轢緩和策として有効であるかどうかを、再導入個体の行動から評価します。最終的に、ケニアにおけるヒョウの保全政策アクション・プランの構築を目指しています。
専門分野：保全生態学、地域研究
キーワード：アフリカヒョウ（Panthera pardus）、保全、ケニア、共存、軋轢
■ 業績一覧
【学術雑誌等】
山根裕美. 2016. 「都市に生きるヒョウとの共存－ナイロビ国立公園周辺住民へのケア」 山越言・目黒紀夫・佐藤哲編 『自然は誰のものか－住民参加型保全の逆説を乗り越える』 京都大学学術出版会, 98-105.
山根裕美 2016. 「ケニア、ナイロビ国立公園とその周辺の人為的景観下におけるヒョウの保全生態学」 自然保護助成基金助成助成成果報告書 23.
山根裕美. 2015. 「ケニア、ナイロビ国立公園とその周辺に生息する野生ヒョウの保全生態学」 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士学位論文.
山根裕美. 2014. 「ケニア、ナイロビ国立公園周辺の人為的景観下におけるヒョウの保全生態学」（生物学とアフリカの未来〈2014年度日本アフリカ学会学術大会「アフリカ生物学フォーラム」報告〉）『アフリカ研究』 85: 34-40. （査読なし）
山根裕美. 2011. 「ナイロビ国立公園とその周辺におけるヒョウ（Panthera paruds）と人々の関わり」『環境エンリッチメント』 5(1).（査読有）
山根裕美. 2010. 「ナイロビ国立公園とその周辺におけるヒョウと人々のかかわり」 加川真美・加藤裕美・山根裕美 『熱帯地域の生態資源と人間活動の動態』（大学院教育改革支援プログラム院生発案共同研究報告書） 第5章.（査読なし）
山根裕美. 2007. 『ケニアにおける野生動物と人々の多様な関わり』 京都大学大学院アジア・アフリア地域研究研究科博士予備論文（修士論文に相当）.
山根裕美. 2010. 「ケニアにおけるナイロビ動物孤児院の野生動物保全への役割」 『環境エンリッチメント』 4(1).（査読有）
Yamane, Y. 2009. Role of Captive Wildlife Facilities in Wildlife Conservation and Conservation Education: The Case Study of Nairobi Animal Orphanage and Safari Walk. In T. Meguro ed., Re-conceptualization of Wildlife Conservation: Toward Resonation between Subsistence and Wildlife: Proceedings of a Workshop. African Centre for Technology Studies, pp. 43-50.（査読有）
【学術雑誌等又は商業誌におけるコラムなど】
山根裕美. 2014. 「ヒョウの生態学研究と保全に向けた今後の活動」 JOINT公益財団法人トヨタ財団 15: 24-25.
山根裕美. 2014. 「アフリカの大都市に棲む野生のヒョウ―ナイロビ国立公園の周辺における人とヒョウの関係」 『ワイルドライフ・フォーラム』 19(1): 28-31.
Yamane, Y. 2012. Capital Leopards. Nairobi National Park. Friend Nairobi National Park 77.
【国際会議における発表】
Yamane, Y. 2016.10. “Leopard Research in Kenya”. 10th Carnivore Researcher’s Conference, Kenya wildlife Service, Nairobi.
Yamane, Y. 2013.12. “Conservation Ecology of Wild Leopards in the Urban Landscape in and around Nairobi National Park in Kenya”. International Symposium on Leopards, National Park and Communities: Toward Co-Existence of Wildlife and Human Societies, Japan Embassy in Kenya.
Yamane, Y. 2013.8. “Conservation Ecology of Leopard in the Urban Landscape in Nairobi”. Carnivore Researcher’s Conference, Kenya wildlife Service, Nairobi.
Yamane, Y. 2008.8. “Role of Captive Wildlife facilities in Wildlife Conservation and Conservation Education: The Case Study of Nairobi Animal Orphanage and Safari Walk”. International Workshop on Re-conceptualization of Wildlife Conservation, Japan Embassy in Kenya.
Yamane, Y. 2012.7. “Leopard Conservation in and around Nairobi National Park (under Urban Environment)”. Carnivore Researcher’s Conference, Kenya Wildlife Service, Nairobi.
【国内学会・シンポジウム等における発表】
山根裕美. 2015.1. （口頭発表）「都市ナイロビに棲むヒョウと人々の関わり」 フィールドネット・ラウンジ企画ワークショップ研究者はいかに野生動物保護にかかわるべきか, 東京外国語大学.
山根裕美. 2014.5. （口頭発表）「ケニア、ナイロビ国立公園周辺の人為的景観下におけるヒョウの保全生態学」 日本アフリカ学会第51回学術大会（第3回アフリカ生物学フォーラム「生物学とアフリカの未来」）, 京都大学.
山根裕美. 2010.11. （ポスター発表）「ナイロビ国立公園とその周辺におけるヒョウ（Panthera paruds）と人々の関わり」 SAGA13, 麻布大学・よこはま動物園ズーラシア.
山根裕美. 2008.11. （ポスター発表） 「ケニアにおけるナイロビ動物孤児院の野生動物保全への役割」 SAGA11 with HOPE in Tokyo, 東京都多摩動物公園・東京大学.
山根裕美. 2008.11. （口頭発表） 「ケニアにおける人々と野生動物の関係、ナイロビ動物孤児院の事例」 第14回野生生物保護学会, アルカスSASEBO・長崎国際大学.
【その他（社会貢献、競争資金等）】
2016.10. 社会貢献：「野生動物とわたしたちの未来」映像提供, 北海道コカ・コーラボトリング株式会社, ネイチャーカフェ, 円山動物園.
2014. 京都大学野生動物研究センター 平成26年度共同利用・共同研究助成.
2014. 社会貢献：「野生動物とわたしたちの未来」講演会, 円山動物園.
2014.6. 新聞掲載：北海道新聞, 円山動物園で実施した講演会とナイロビで実施しているヒョウのフィールドワークと保全活動に関わる記事（2014年6月16日朝刊）
2014.5. NPO法人ワイルドライフ・プロミシング設立.
2013.2. 社会貢献：「ナイロビに棲むヒョウと人々の関わり」 ナイロビ日本人学校にて講義.
2012年度. プロ・ナトゥーラ・ファンド助成 「ケニア、ナイロビ国立公園とその周辺の人為的景観下におけるヒョウ（Panthera pardus）の保全生態学的研究」.
2012年度. トヨタ財団研究助成（D12-R-0025） 「ケニア、ナイロビ国立公園とその周辺の人為的景観下におけるヒョウ（Panthera Pardus）の保全生態学研究」.
■ 学歴・職歴
2006. 京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科アフリカ地域研究専攻一貫制博士課程・入学
2015. 同研究科博士課程修了（地域研究博士）
2015. 首都大学東京都市環境科学研究科・客員研究員
2016. 日本学術振興会海外特別研究員 （派遣国：ケニア）
■ 学会活動
日本アフリカ学会、「野生生物と社会」学会